これから1年ほどにわたって、小さな手つかずの庭を設計し、バラを植え、庭を育てていく経過を連載でみなさんにお伝えしたいと思います。
ガーデンデザイナーによっていろいろ流儀はあると思いますが、ここでは一般的な家庭によくある3-5坪ほどの実在の庭をベースに話を進めていきます。
当サイトの閲覧者の方に、なにか「それ使えそう」と思えるところが1つでも多くあればと思います。
第3回は、「レイアウトを考える」 です。
庭のサイズや方向は敷地によって決まってしまい、変えられませんので、その特徴を考えないといけません。
(1) 家と庭の接し方
多くの場合、リビングから庭を見るといったことが考えられますから、あなたやあなたの家族が一番庭を眺める部屋から、一番いい庭の景色がみえることを考えるのがよいでしょう。晴れでも雨でも、朝でも昼でも夕方でも庭を眺めて楽しいというのが大切です。
(2) 敷地の形、サイズや高低から来る制約
また敷地が三角である、細長いなどの特徴や制限がある場合、それを生かさないといけないでしょう。さらに、完全に平坦な土地なのか、高低があるなども制限になるでしょう。
もちろん、庭の大きさも重要です。広くなると自由度が上がりますが、予算も大きく変わります。
(3) 隣地との関係
多くの家庭の庭の場合、隣地の接し方も影響があります。たとえば、都会の場合、目隠し塀を用意しないといけなかったり、道路にどう接しているかなども重要です。車をお持ちのご家庭では、駐車場をどう扱うかなども考えないといけません。
(4) 庭の方角と日当たり状態
植物に最大限、太陽にあててあげるために、庭の方角や日当たり状態を考えないといけません。花を育て場合は、やはり日当たりのいい場所を庭に割り当てたいところですし、日当たりが悪い場合はどういう植物なら育つかを配慮しないといけません。
さて、今回取り扱う庭を写真で見てみましょう。
庭のサイズはおおむね10坪ほどです。南向きで、西側は道路に接しているので、日当たりはよいほうでしょう。東側は法面ですので、やや風通しは問題ありかもしれません。奥のほうは既存樹木があり、適度な目隠しになっています。
この結果、考えたレイアウトの候補は3種類です。
(A) 単純に3つの四角い区画としました。左側は菜園とする予定です。右の2つがメインの花壇となります。
[案(A) 3つの長方形の区画]
[案(B ) TAO(陰陽)ベースの円形の区画]
[案(C) 扇形と長方形の組み合わせ区画]
3案考えた結果、敷地を再度検討しまして、結局(C)案を採用することにしました。
(A) はお堅くて面白みがありませんし、(B) は哲学的なのですが、よく考えると花を植える面積が減ってしまいます。結局、英国風にシンメトリーにできるし、奥の既存樹木の都合もあり、半円にして中央にレンガの小道を通し、左側はキッチンが近いので、菜園にすることにしました。
というところで、第3回は終わり。
次回は、手持ちの植物を生かす方法を考えていきたいと思います。
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