これから1年ほどにわたって、小さな手つかずの庭を設計し、バラを植え、庭を育てていく経過を連載でみなさんにお伝えしたいと思います。
ガーデンデザイナーによっていろいろ流儀はあると思いますが、ここでは一般的な家庭によくある3-5坪ほどの実在の庭をベースに話を進めていきます。
当サイトの閲覧者の方に、なにか「それ使えそう」と思えるところが1つでも多くあればと思います。
第5回は、「家と庭の関係」 です。
「レイアウトを決める」のところで、「家と庭の接し方」という項目があるのを思い出していただけますでしょうか。
これはとても重要な考え方で、あなたにとって庭とどうつきあうかという意味も持ちます。
たとえば、こんな使い方があるでしょう。もちろんミックスである場合も考えられます。
(A) 収穫の庭 菜園、果樹園、農園、ハーブ園の類。育てる喜びが味わえます。農家にとっては普通のことですし、ベランダでトマトでも育てたいと思う方にはぴったりの庭です。
(B) 観賞の庭 ただ眺めて楽しむ庭です。ストレスの多い現代、重要なことといえます。一般的に思い描かれる庭です。
(C) 遊びの庭 バーベキューをしたり、砂遊びをしたり。子供の小さい方にはあっているかもしれません。小さい子供には、道路で遊ばれたりするより、ぐっと安全ですね。
(D) 作業の庭 遊びの庭に少し似ていますが、自宅で仕事をする方には仕事するのに作業場として使うこともあるでしょう。残念ながら、時には「物置」状態になるかもしれません。
(E) 緩衝地帯 家と家が隣り合っていて密集している場合、プライバシーを確保する「すきま」が必要です。たしかにそこに花を育てたりすることは難しいかもしれませんが、隣人がのぞき見するのが好きな人だったりしますと、こういったスペースも必要となるかおしれません。
ただどれもあなたにとっては、あなたが選ぶ以上は必要なスペースであり、庭とのかかわりあいなのです。
さて、ここでの庭は、連載<3>でレイアウトを(C) 案 2つの庭としましたので、(A) と(B)の庭にすることで進めたいと思います。連載<2>でも Must/Wantを整理しましたので、その方針に従います。
リビング側を眺める庭(B)とし、キッチン側を菜園(A)とすることにします。ちょうど道路側から多少庭が見えますので、そちらは通る人に見てもらうためにも、花を多く植えます。せっかくコレクションしているバラも活かしたいので、バラを中心とした、小型の英国風花壇とする予定です。
一方、キッチン側は奥まっていて、キッチンの窓から外にもでやすいので、ポタジェ(菜園)として季節の野菜を植えます。これも英国の裏庭にはりんごなどの果樹が植わっていますので、それからの発想です。ハーブも少し植えましょう。
というところで、第5回は終わり。
次回は、シーズン&カラーチャートを考えていきたいと思います。
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