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バーチャルお悩み相談室: 相談1 【友達がニートで3年もひきこもっています。親だっていつか死ぬのに、当人は働く気力はぜんぜんないようです。まっとうな社会人に戻れるようにアドバイスしてあげたいのですが、どうしたらいいですか?】

1つのご回答:

お友達でも、子供でもニートになって、何年もたつと家族はたまりません。はっきりいって、赤の他人でも、無駄に血税がでていっては困ります。お友達も大変心配でしょう。

ご心配のように、働く気力がない人がそのままになるとどうなるかを説明します。
制度は変更になったり、市町村で多少福祉対応が異なると思いますので、ざっくりとした推定で説明します。詳細については、市町村の福祉窓口で相談してください。

ニートのご本人については、リアルに説明していきますので、「私は別だから、そんなことにならない」などと甘ったれたことを考えずに、よく読んで理解してください。わからなければ、何度でも読み直してください。できるだけ、リアルに厳しい説明をしていますので、よく理解してください。生ぬるい優しさは、ニートには救いにはならないのです。中途半端なやさしさこそが、長期のひきこもりを産むことを最初に理解しましょう。

※ 重度の障害者はここには含まれませんので、読む必要はありませんので、読まないで飛ばしてください。重度の障碍者の方は、そもそもが自分が生きていくことで手いっぱいなので、国から援助をしてもらってもぜんぜんかまわないのです。気にしないでいてください。

(1) ご指摘のように、確実に親は先に死にます。仮に、ニートの当人が30歳で、親が60歳だとします。30年間ニートをしていますと、当人は60歳、親は90歳。長生きの親でもなくなっておられるでしょう。それ以前に、85歳くらいで、介護が必要になりかもしれません。ニートの子供さんは、働いてもいないのに、いきなり介護です。誰かに押し付けようにも、親族からは「こんな時くらい、親孝行しなさい」といわれて終わりです。1日中、介護ですね。

(2) 親が90歳になる前に、親の貯金がなくなったとします。その時点で、現金がなくなります。住んでいる家を売るしかありませんが、築40年といった家が、いくらで売れるかわかりません。もしかしたら、50万円でしか売れないかもしれませんね。すぐ売れても、50万円から不動産仲介手数料を払えば、いくらも残りません。そこで、現金が枯渇しますので、そのままだと親子で餓死です。

(3) 親子が餓死しそうということで、親子そろって生活保護を受けにいったとします。当然、子供さんは60歳でまだ働けるので、親の分は生活保護費が降りても、子供さんの分にはおりません。食べ物もかつかつなのに、2人分の生活保護費で、両親2人と子供1人の大人3人分の費用を払わないといけません。栄養失調で死んでしまうかもしれないですね。でも、誰にも頼れません。なぜなら、もう生活保護という最後の最後の砦は使ってしまっているからです。何か月かで、餓死するということになりそうですね。

(4) ニートの子供さんは、生活保護費をもらえないので、当然ハローワークに行って、仕事を探しにいくことになります。残念ながら、50歳以上になると、なかなかいい仕事はありません。肉体的にきつい仕事が多いです。30年もぶらぶらとニートで家に引きこもっていた人が、いきなり肉体的にきつい仕事につくのは、かなりきついです。3日ももてば、御の字かもしれません。ですが、仕事がない以上、みつけたら、即働かないともう余裕はありません。1万円のお金も残っていない状態になっているわけですから。死活問題です。要するに、すぐ餓死してしまうのです。餓死寸前のところを市役所で助けてもらって、入院をさせてもらったとして、体力が回復する2,3か月ほど生活保護をもらっても、また、3,4か月後には、収入がないので、餓死寸前状態になるのは、自明です。ちなみに、餓死はかなり苦しい死に方だそうです。歴史的にわかっています。病気や老衰で、眠るように死ねるわけではないのです。苦しい苦しい死に方になると思います。

(5) あと、ニートで引きこもりになりますと、生活が乱れて、夜中に起きていたりするとメンタルが悪化します。ただでさえ、「自分みたいなのは、社会にいらないと思われるんだ」と紋々と悩んで、人によっては、うつ病や統合失調症などになります。こうなりますと、頭痛や腰痛、胃痛などあちこちが痛くなったり、気分も落ち込んで普通の食事や入浴、掃除といった一般的な生活ができなくなります。統合失調症の場合は、幻聴が聞こえたり、幻覚が見えたりして、「悪魔が家に火をつけろっていうんだ」などと危険な状態になります。状況にもよりますが、最悪の場合、自宅に放火した人もいますし、自殺したり、家族に暴力をふるなどもありえます。実際に、そういった病気かどうかわかりませんが、2018年に引きこもりの50代男性が、殺人をしました。最悪な場合は、そういうことを考えないといけないということです。「そんなことはない」と自分を安心させたくて、ごまかす人はいますが、世の中、最悪の自体を考えて、予防策をとるのが賢い方法です。

(6) 次に、福祉制度が変更になったときのことをお話したいと思います。これも、「日本はそうならない」などと甘えた考えでなく、「確実にこうなるのか」と思って説明を読んでください。
 みなさんが、「理想の高福祉社会」と思われている北欧やオランダなどの国では、重度障碍者以外は働くようにだんだんなっています。実際に、役所の担当者から片手しか動かないのに、「働け」といわれた障碍者もいます。あるヨーロッパの国は、健康診断をして健康だったら、強制労働になっています。要は、政府が「生活保護費払うけど、暇なんだから、国から単純労働とか肉体労働とか与えるので、その仕事してね。でないと、生活保護費は払わないからね」というしくみです。日本の財政事情を考えると、10年後くらいにはそうなるかもしれないですね。
 また、アメリカはたしかフードスタンプ制度だったと思います。食料とか生活必需品と交換できるチケットのようなものをもらうだけです。日本のように、生活保護者はパチンコなんてできません。最低限度生活ですから、食べるものと多少の衣料などだけです。住居も決まった小さな部屋に固定で割り当てられて、日本のように、好き嫌いは言えなかったと思います。もちろん、ゲームなんかして遊ばせてくれません。酒も買わせてはもらえません。なにしろ、生活保護を受ける方には、アルコール中毒患者がかなりいますので、そういう依存症の人は病院施設にまず入れられます。病院からぶらぶら抜け出す権利なんてありません。国が税金で、そういう方々の治療を優先して行います。
 ヨーロッパとアメリカの例をあげましたが、先進国ではなく、発展途上国ではどうなるかを説明します。もちろん、国の福祉制度はありませんので、道端で野垂れ死にとなります。ただ、それだけです。働けない=死ぬというだけです。

 このような先行する外国制度を見ますと、日本もそうなると思います。
 一般的な、日本国民は、フリーライダーには厳しいですから、重度の障碍者でもない限りは今よりももっと最低限度の生活になると予想されます。なにしろ、働いて税金を納めてくれている国民のほうが、なにごとにも優先です。国庫に余裕があるうちは、生活保護費も払ってくれますが、さらに減額になる可能性は高いでしょう。フードスタンプ制になって、食べ物と日常必需品だけになる可能性はありますね。
 フードスタンプ制度にはならないかもしれないですが、精神病やアルコール中毒、麻薬中毒など依存症を抱えている場合は、生活習慣を補正するために、精神病院などの特別病棟で入院いただく場合がでてくる可能性は大きいです。薬も飲めない、お金をもらったら食事ではなく、酒や麻薬を買うなどは持っての他ですから、そこから直すしかないでしょう。完全に、アルコール障害などは精神病なのですから、医者の範囲です。生活以前の問題で、病気治療に専念してもらうのが、人道的です。

(7) 現在の制度のまま、生活保護費がもらえても、普通の健康状態の人がいつまでも生活保護費をもらっているわけにはいきません。大切な血税です。、福祉課の人にしても、にこにことお金を渡してくれるとは限りません。「まずハローワークに行ってください。資産になりそうなものはできるだけ、売ってお金作ってください」と言われるかもしれませんね。そもそも、1ルームのところがほとんどなので、たいして荷物はもてません。生活保護費はくれるかもしれないですが、毎月呼び出されて、「どうですか?働けますよね?まだ仕事みつからないですか?」と毎回、針のむしろのようにいわれる可能性は高いです。
 あなたが「私にだって、プライドがあるんだ」と抗議をしても、普通の人からは同情されないと思います。「プライドがあるなら、働け」といわれて終わりです。ホームレスの人々でさえ、缶ひらいなどをして生活をされています。保護費をもらって、何もしないくせに、「プライドが」などという人は、誰も聞く耳をもたないでしょう。役所の人は少しくらい、手心を加えてくれるかもしれません。だからといって、翌月面談するのは、規則なので、行かないわけにもいきません。

 一般的な世間の人は、自分たちがとてもまじめに働いているので、(あきらかな障害がない人を除いて)生活保護受給者にはかなり厳しいです。たしかに、シングルマザーでしかも子供の病気といったように、あきらかに同情されるべき事情があれば、みなさんも納得してくれますが、普通に健康そうな人が働いていないのには、かなり目が厳しいです。
 「文句いうなら、さっさと働けよ。条件ちょっと落とせば、なにか仕事くらいあるだろ?」といわれるのが、世間様の常識なのです。半年くらいならしょうがないと思いますが、5年も10年も若い人が働かないわけにはいかないのです。90歳の人であれば、多くの人々は「ああ、あと1,2年しか生きられないご老人の方なら、しょうがないよね。いまさら働けないし」といわれます。ですが、20代-70代までだと、それは許されないでしょう。

 世間様も、役所の担当さんも、親のように、「しょうがないわねー。はい、ご飯」っていってはくれません。それが死ぬまで続くのって、幸せですか?毎月毎月そうなんですけど、普通なら神経がもちません。30過ぎた、いい大人が、入社したての市役所スタッフから、「まーっだ働かないんですかー?」といわれるのは、本当に屈辱かなあと思います。(もちろん、丁寧に淡々と処理するプロ職員さんもいると思います。でも、それって、まともに相手されていないのと同じなのです。役所の職員さんだって、上司から、「1人だけでも自立するようにすすめなさい」と怒られているかもしれません。普通なら、常識でみて、そうです。)

 さて、長々と書きましたが、要は「永遠に働かないでいるわけにはいかない」ことをはっきり認識してもらわないといけないことです。
 ずるずると3年5年10年とひきこもっているほど、社会復帰は難しくなります。傷口が深くなるようなものです。

確認しないといけないこと:

 ニートになる人は、精神的に弱いことが多いです。思考の切り替えができず、落ち込んだままになりやすいのです。自宅で1人でいると、他の考えでまぎらわされることがないので、余計に同じ挫折理由で落ち込む構造になります。
 ただ、事前に気になる点としては、「もともと、うつ病になりやすい気質、遺伝などがないか?」「実は、大人の発達障碍などの隠れたメンタル問題がありませんか?」「家族の関係が、以前からおかしく、大人になりきれていなかった」などの背景がないかを確認しないといけません。
 この場合は、当人ががんばって回復しようと思っても、足に重りをつけているようなものです。かなり状況がよくないと、すぐ重りのせいで足を引っ張られてしまいます。慎重にしないと、また別のタイミングで2度3度と引きこもりになりやすいのです。
 この場合は、最初に精神科医などにカウンセリングしてもらい、治療を並行としながら、独り立ちしていく方法を探っていかないといけません。
 メンタル系の病気や発達障碍については、人それぞれで、個別にカウンセリングして、能力に応じてできるできない、得意不得意にあわせて将来の仕事をみつけないといけないのです。


対応策として:

 1年以上もニートになる方は、正当な理由(たとえば、弁護士試験で勉強中である場合、重度の障碍者である場合)があるときは除いて、「逃げ込めて、親から食べさせてもらえるうちは、だらだらしていたい」「なにか、過去の失敗にこだわっていて、やりなおしができない」人が多いのです。それぞれいろんな理由があるとは思いますが、1年以上、まったく外にも出かけないのであれば、なんらかの整理を本人がつけるべきだと思います。

(A) 見える化させる

ニートの当人に、自分をみつめてもらいましょう。こんなことを、箇条書きにしてもらいましょう。

- どうして外にでていきたくないのか?
- なぜそうなってしまったのか?
- 自分の長所と短所
- 将来どうしたいのか? それを目指すには何をすべきか?
- 興味のあることが何か、羅列してみる

(正直、気力が落ち切っていたり、うつ病になっていたり、何もかもから逃げ出したい状態のときは、1枚程度の文章も書けないかもしれません。その場合は、心療内科への受診を最優先にするのがよいと思います。気力があれば、このように箇条書きにしてもらいましょう。そして、紙をコピーして、本人の部屋の壁にはってもらいましょう。家族や友達も手元において、ときどき見直してみましょう。)

(B) 暇な間に興味のあることを勉強する

その通り、1,2つの興味のあることを何日もやってみます。まず、何かに夢中になって上達します。
資格勉強でもいいし、趣味のことでもかまいません。
資格試験に合格するくらいか、趣味のレベルが他人より、あきらかに高いかを見てみましょう。

それらが、なにか副業になりそうか、調べましょう。もし、コンテストがあったら、応募しましょう。資格なら、試験を受けにいきましょう。

 そのへんをお友達のほうから、リアルに説明してあげるといいかもしれません。あまり、相手が悩みすぎない程度に、自分から自立するように、「こうなることはわかっているよね、想像はつくよね。逃げてもせいぜい数年だよ。そろそろ、期限を決めて、自分から動こうよ」と時に優しく、時に厳しく助言するのがいいかもしれませんね。 (あまりきつくいうと、拒否感が先に立ちますので、どちらかというと文章・書面で説明したほうがいいと思います。本人が、自分で考えて、「自分からなんとかしたい」という気持ちが早くわくほうがいいと思います。

 趣味のような、好きなことなら、何十時間でもやってられるでしょう。そもそも、ゲームデザイナーやライターさんたちは、好きでやっているような仕事の人が多いようです。車好きな人が、車雑誌のライターをしています。好きなことについて文章を書く(絵でもよい)、ブログに載せて、アクセス数を稼ぐ、アマチュアライターになる、スカウトを待つ、あるいは出版社などに応募する・・・というので実際にプロになる人はごろごろいます。動画だったら、Youtuberも同じプロセスです。
 たとえば、映画監督は映画を作っていなければ、ただの無職の人です。家からでなければ、ニートとあまり変わりません。そういう不定期の仕事で、趣味をいかせるものはいくらもあります。そこから、がんばれば、本当のプロになれるかもしれません。


(C) 少しずつ、できることから始める

 いきなり「正社員に応募」なとするのは、1年未満のひきこもりなら、ともかくとして、正直無理なので、「人手不足で、わりと経営者と従業員の距離が近くて、アットホームな職場」のところのアルバイトや副業を狙うといいかもしれません。あるいは、コミュニケーションが苦手な人は、黙々と作業をするような仕事がいいかもしれません。たとえば、ひたすらデータ入力をする、経理などの伝票をひたすら入れる、パソコンをインストールするなど、機械的な仕事がいいかもしれません。

 できれば、(A)で書いた箇条書きを見直して、

 最初は週1,2日働くのからスタートして、3か月ほど大丈夫なら、同じような業界で、派遣業などに登録して、2,3か月の短期仕事などをして、仕事の幅を広げるなどをすればいいでしょう。もちろん、さきほどのバイトの仕事であっても、1年以上勤務したら、正社員にしてくれるというなら、いいかもしれません。
 無理せず、長く、できるだけいい条件で働けるように、少しずつ自分で改善していくとよいと思います。
 最初からバイトなどがしんどければ、もう1つ、軽い段階として、NPOなどでボランティアをするといいでしょう。朝、規則正しく起きて、家の周りの掃除をするだけでもすばらしいことです。

 ちなみに、会社勤めのフルタイムであっても、「監視だけしていて、作業はほとんどない」という職種は探せばあります。それならば、(責任感は別として)作業そのものは、TVモニターを見ているのと同じです。家でTVみているのと、それほど作業そのものは違いません。
 また、内向的で調べ物をするのが好きな人には、調査官のような仕事もあります。


(D) どうしても、働きたくないなら

 ニートのお友達が、どうしても働くのが嫌なら、合法的な手段があります。資本家になることです。
 (ただし、手も上げない、歩きもしないということはありえませんので、最小限度の労働は発生します。そもそも、体を全然動かさなければ、早死にするでしょう。)

(1) 株の配当金や、不動産の収入を得られるようにする

 いきなりは無理ですので、親からとりあえず10-30万円でも借りて、ネット証券で株取引をしてみるのをおすすめします。
 買ったときより安く売らなければ、株は損にはなりません(あと、倒産しなければ)。こつこつと10年と儲けて買い増ししていけば、少しは資産になるでしょう。親がなくなるまで40年くらいあったとしたら、一財産になるかもしれません。使わないで、貯めておいて、より条件のいい株を買い替えていけばいいのです。

 不動産収入も、100万円ほどのボロやも田舎にいけば、あるので、それを買い、自分の力できれいにリフォームすれば、貸し出せるでしょう。誰か借りてくれる人がついたら、入居者がいる限り、お金が入ってきます。
 ちょっと一戸建てやアパートを管理するのが、心配なら、駐車場でもいいでしょう。
 低予算でもうまく不動産投資をしている人はいます。書籍なども売っていますので、勉強するといいと思います。

(2) もしくは2000万円ほど、借金をして、社長になって人材派遣業などをはじめてもいいと思います(まあ、誰がそんなお金を貸してくれるかという話はありますが、親がすごくお金持ちなら、貸してくれるかもしれません)。いたって正当な正規の仕事です。他人を働かせて、事務処理やお客さんを取りに行くことで(営業)や研修だけすれば、売上が立ちます。さらにお金があれば、営業も他人にまかせられます。儲けた分は、自分の報酬としてもらえます。

(3) もし、「俺ってハンサムでイケてるー」っていう場合は、女性を騙して、ヒモになるのがいいかもしれません。女性なら、愛人です。ただ、相手に一度でも嫌われたら、そこで終わりです。あっというまに、金づるはいなくなってしまいます。もちろん、お金持ちと結婚するという手もありますが、それでも、魅力がなくなってしまったら、ごみのように捨てられるかもしれません。非常にリスクの高い手段です。


 このように、比較的楽に(ある意味、効率的に)お金稼げる方法は、腐るほどあるのに、家でぼーっとして、親を悲しませ、税金も払わず、社会の迷惑になり、自分でも情けないと思っているなら、ちょっと勉強して、自分にとっておいしい仕事をいかにできるようにするか考えて、実行するほうが建設的だと思います。厳しい言い方ですが、リアルに考えれば、世間からはそう思われているのです。優しい人でも、「じゃあ、私が代わりに働いて養ってあげる」などという人はいないと思います。口に出すか、ださないかでしかないのです。

 まあ、何もしなければ、10年後20年後に餓死が待っているか、強制労働が待っていますので、安心してください。結果はどうせ同じです。
 このように、将来どうなるかをはっきりリアルに説明してあげると、しぶしぶであろうと体を動かさないとだめと思うはずです。
 残念ながら、ニートの人は、ぬるい認識なのだと思います。もちろん、自分を責めてもいると思いますが、一方で「働いたら負け」という屈折した価値観をひっぱりだしてきて、自分を慰める、非常に弱い人々なのです。

 弱いなりに、少しでも、元気を出して、できるところから、始めればいいのです。焦らず、でも、期限は決めて、いつまでにどうしたいかを決めて、一歩一歩進めばいいのです。やってみて、だめなら、違う方向で朝鮮すればいいだけです。小説家がだめなら、デザイナーだっていいのです。でも、家の中にこもっている人が、社会にもまれて戦っている同じデザイナーや小説家より、スキルが上だったり、深みがあるということはめったにありません。自分の心の底をみつめてないからだと思います。
 自分で自分に向き合うことが必要です。それが、最初に(A)で説明した箇条書きで書いて、自分を見える化することです。


ご家族へのアドバイス

 お友達のように毎日、ニート本人と顔をつきあわせないですむ相手は、心配しているだけですが、ご家族の場合は、確実に実害があると思います。なまじ、血がつながっているので、「どうしてこんな子になったのか?」と悩まれることでしょう。つい、甘やかして、ご飯を部屋にもっていったりするかもしれません。

(1) 変に親が口出し、金銭的援助を再現なくし続けるのが一番悪いと思います。「ひきこもりするのは、いいけど、1年まで」と期限を決めるのがいいでしょう。

(2) 親子で言い合いますと、最悪、包丁を持ち出して、どちらかが相手を刺すといった悲劇になりかねません。できるだけ、外部の人をはさみましょう。外部の人とは、精神科医、心理カウンセラー、市役所の福祉の職員さんなどです。他に、ニート脱出訓練所みたいなのもあるので、そこで預かってもらってはいかがでしょうか? 数十万円ほどらしいですが、親がそれくらい払ってくれるでしょう。
 外部の役所の人や医者から見れば、「家族がOKしないと、手を出せない」のです。ここは、親がずばり「とにかく、なんでもいいので、本人にいいことになることは、なんでもしてください。協力します」と覚悟を決めて、OKを出してください。

(3) 長引くようなら、一度精神科にいって、なんらかの病気が発症していないかを確認しましょう。少なくとも、規則正しい生活をさせないと改善は始まりません。だらだらをいつまでも許すのがいけないのです。「遊んでもいいけど、朝は7時に起きなさい」というべきです。

(4) 発達障碍の場合は、親そのものが原因となっていることがあります。親がアスペルガーだったりすると、子供の表情をくみとれず、一方的にきつい言葉で説得だけするようなことになりかねません。そして、発達障害は、医学的に遺伝と環境の可能性が高いのですが、遺伝も環境も未成年の間では、きつい言い方ですが、親の責任です。発達障碍については、難しい問題ですが、法律で支援する体制もありますし、徐々にカウンセリングできる心療内科なども増えています。発達障碍支援センターなどもありますので、そういった外部の支援をうまく活用するのがよいと思います。家庭内でおさまっていないのですから、素直に早めに外部の手を借りましょう。

(5) 「毒親」というケースもあります。親が、卑屈だったり、コンプレックスがあったりすると、日常的に、「そんなこともできないの?」「こうでないとだめ」といった押しつけがましい言動が毎日繰り返されます。子供さんは、そういう親と接触していると、当人が元気になりたいと思っていても、できないのです。親御さん自身が、毒親である場合は、距離をおかないといけません。別の部屋を借りて、子供が独り立ちするようにしないといけません。親のほうが、邪魔になっているのです。「共依存」がしばしば、見受けられますので、そうなっていないか、点検してみましょう。親子で心療内科にいくべきだと思います。親のほうも変わらないと、子供の自立はできないのです。

(6) 一番よくないのは、「ひきこもりの子供は恥ずかしい」となんでも隠してしまうことです。どうせ、近所でもわかってしまいます。たぶん、もう近所の人も知っているのです。それよりも、きちんとしたプロの専門家に、ゆだねて、本人が自立できるように支援してあげることだと思います。

(7) 1つの極端な事例をご紹介します。あるご両親と、ニートの息子さんがいました。40歳近いのに、働けません。ご両親は当然70歳近くなりました。そして、「このままでは、自分たちが稼いだ退職金も息子に食いつぶされて死ぬ」と決心したご両親は、ある日、数日分の食料と置手紙をおいて、家をでていきました。ご両親は、二度と戻ってきませんでした。置手紙には、このようなことが書いてありました。「私たちは、もうあなたの世話はできません。家はあげますから、あとは市役所にいって福祉課の人と相談して、勝手にやっていってください」とありました。息子さんは、数日考えましたが、結局親の携帯に電話してもでませんし、引っ越し先もわからないので、市役所に行って、生活保護の相談と、ハローワークでの仕事紹介をお願いしました。家は持っているわけにはいかないので、売りに出しつつ、ハローワークで自分にあった仕事を半年後くらいにみつけました。これで、ニートの息子さんは、引きこもりから脱出し、独り立ちしました。親御さんは行方知れずですが、息子さんは「そのとき、そうしてくれてよかった。親がどこかで健康だといい」と思っています。つまり、ばっさりと親子の縁を切ってしまい、市役所などの専門家にまかせれば、半年程度で立ち直れるわけです。
 これが、本当にシンプルな解決策の1つだと思います。もちろん、息子さんだけ、強制的に放り出してもよかったのかもしれないし、いったん、支援センターのような共同生活をして、徐々に独り立ちするのがよかったのかもしれません。人それぞれですが、親が甘やかし、過干渉をしているかぎりは、どうしようもないという事例だと思います。


以上、きつい言い方ですが、いつかは、ぬるま湯から出ないといけないのです。リアルに考えて、できる範囲で少しずつ現実に実行できる手段で改善していきましょう。

こういった本もありますので、状況にみあっている本を選んで、同じような解決策を試してみるとよいでしょう。細かい点で、真似したほうがいいところや、真似しないほうがいいところなど、広く知見を得て、正しく実践していくしか、問題は解決しません。

そして、そのままでは、当人の人生が何年も無駄になるのです。とても、悲しいことです。当人が一番悲しいのです。ぜひ、脱出を手助けしてあげてください。









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Create: 12/02/2019 Update: 12/03/2019
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