事例研究 | 広告]
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事例の件名 | ケーススタディ: 人が大勢いる場面が苦手、会議などで発言ができない |
状況や現象 | Oさん、男性24歳。大学卒業後、メーカーに就職、技術開発を担当している。目立たず、まじめにコツコツと研究していると周りの評価も悪くない。しかし、会議などで発言を求められると詰まってしまい、うまく話せない。人前で話すような、自分に注目が集まる状況が不安で怖い。
先日、上司から他部署との研究発表会で報告するよう言われ、準備は頑張ってしたものの、当日はどうしてもうまく話せず、先輩に途中から代わってもらった。
上司にも呆れられ、自分でも情けなくなり、何とかならないかと思って心療内科を受診。 |
本人が困っていること | 注目されることが不安
周囲の視線が気になり、人からどう思われるか不安。人が大勢いて、自分が注目されるような状況では、過度に緊張して恐怖を感じてしまう。そういう場面はなるべく避けるようにしているが、断りたくてもはっきり言うことができない。 |
周囲(上司・同僚・家族等)が困っていること | 会議や発表会がうまく進まない
仕事の態度に問題はないが、会議での発言が少ないのは上司も気になっている。また、開発担当者は客先でプレゼンテーションしたり、研究発表や講師などもしたりする機会があるので、何とか慣れてほしいと考えている。 |
考えられる病気の可能性 | 社交不安障害 |
当人や周囲がやったことがいいこと、解決のヒント | 心療内科・精神科 社交不安障害との診断が出て、服薬とカウンセリング(認知行動療法)で治療。 |
備考 | 大勢の前で話すのに緊張する、などは誰もが経験することですが、あまりにも強い不安や恐怖を感じて、そういう状況を避けようとするために仕事や社会生活に支障が出てしまうのは、社交不安障害という病気です。性格だとあきらめてしまうことも多いのですが、治療可能です。
Oさんはまだ社交不安の症状だけのようですが、「性格だから」と病気とは思わずに常に不安や恐怖と戦っているために、うつ病やパニック障害を併発するケースも多くあります。早めに受診することが必要です。 |