事例研究 | 広告]
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事例の件名 | ケーススタディ: 社内コミュニケーションができず、アスベルガーと診断された |
状況や現象 | Gさん、女性24歳。大学卒業後、メーカーで念願の設計部門に就職した。最初のうちは、素直に仕事を覚え、皆からも若くて素直だと好かれていた。
しかし、半年ほどすると、集中しすぎて会議をダブルブッキングしたり、席が近い同僚や先輩に対して、だんだん口を利かなくなり、コミュニケーションをうまくできなくなった。 |
本人が困っていること | 周囲から理解されない, コミュニケーションに問題がある
根はまじめなので、がんばろうとするのであるが、周囲に気配りするのが下手で、「空気がよめない」「杓子行儀すぎる」などといわれやすいタイプ。素直だが、時にはほかの上司や先輩の助言も聞かないなど、柔軟性が低いと思われることもある。
半年、1年たつとだんだん職場に居づらくなってきた。 |
周囲(上司・同僚・家族等)が困っていること | 指示したことができない; 失敗を報告しない、看過するなど; 挨拶、謝罪、お礼なども言わない
一般常識のある上司や同僚視線で見ると、想定外の行動をしたり、内こもりになって口を利かなくなったり、メールでしか返事しなくなったりして、コミュニケーション困難になりがちです。こうなると、業務指示ができなくなり、仕事の成果がでてきません。 |
考えられる病気の可能性 | アスペルガー; 発達障害 |
当人や周囲がやったことがいいこと、解決のヒント | 内心、職場で浮いていることを感じており、インターネットで見たアスペルガーの症状に自分が近いと感じ、精神科を受診、最終的にアスペルガーと診断された。
「空気が読めない」などと、周囲の理解が不足したり、しわ寄せもあるため、その職場で居づらくなり、うつ病などになり、併合的な病気になりがちです。
当人に自覚症状がない場合は、上司が家族などと相談して、専門医や産業医に行くように促しましょう。ただし、夫婦そろってや親子そろって同じアスペルガーの発達障害である可能性も高く、促しても逆切れする人もいます。客観的な事実を記録しておき、指摘するようにして、カウンセリングに誘導します。 |
備考 | 軽度なアスペルガーであれば、あまり人とのコミュニケーションが発生しにくい職種について、能力を発揮できます。しかし、営業やシステムエンジニアのような、顧客とのコミュニケーションが多めの仕事だと、職種マッチングとして厳しいでしょう。
職種転換で異動できる場合は、してあげるのも手です。しかし、ニッチなビジネス展開をしている小企業では、雇用しつづけるのは厳しいこともありますので、再訓練を支援してやり、別の仕事に転職したほうがよいこともあります。
また、アスベルガーで問題なのは、社会規範が低く、危険ドラッグや麻薬などに興味本位で手を出したり、コンプライアンス意識が低いために、データを盗用することなどを隠していることがあることです。こうなった場合、社内処罰規定に照らし合わせて、公平に一定の懲罰的な処分をするしかありません。
心療内科、精神科の中でも発達障害が得意なところに、通院治療、グループ活動などで社会復帰をめざすのがよいでしょう。 |