どんなにキレイに咲いているバラでも、撮り方によってはがっかりなんてこともあります。
コンパクトデジカメで、簡単にキレイに撮る方法について書いていきます。
1.天候と時刻
まず、バラの写真を撮る時の天候を意識しましょう。まず風の強い日は避けましょう。バラの花がゆらゆら揺れていたら構図を考えることもできず、ブレてしまった写真だらけになります。
日光、直接光がバラに射しているときは、なるべく避けます。一枚の花びらでもコントラストが強すぎてしまい、ソフトな感じが出せません。さらに、注意しないと日が当たっているところは、真っ白になってしまうか、日が当たっていないところは、真っ黒になってしまうこともあります。(白トビ、黒つぶれ)
最も最適なのは、薄曇りで、風がない時です。薄曇りのときは万遍なく光りがあたり、全体にソフトな感じに仕上がります。さらに、できるなら夕方は避けましょう。夕方は日が傾き、白いバラでも赤っぽく撮れてしまいます。逆に白い花でも赤味を付けて撮るなら夕方は最適です。
雨の日もご自分が濡れてしまう事以外、バラの撮影には向いています。雨のしずくと花びらが織りなす光景は、バラの花を一層引き立たすことでしょう。
ただ、光の量が不足してくるので、シャッター速度が遅くなるためブレてしまう恐れがありますし、暗いとピントは合いにくくなります。こんな時なるべくなら、オートフォーカスをやめてマニュアルにしてピントを手動で合わせることも考えましょう。
2.バラの花を引き立たせる演出
バラの写真を撮っても、どうもしっくり来ない場合があると思います。一番の原因は背景にあります。たとえバラがキレイでも、背景が邪魔をしてしまい、せっかくのバラが冴えないことになります。
【背景を選ぶ】バラの後ろが極端に暗いか、逆に極端に明るい背景がベストです。
どうしても背景がゴチャゴチャしていて、明るさもあるときは、できるだけバラをアップで撮るようにします。バラに近づくよりはズームであれば望遠系にして、花だけが撮れるようにします。レンズが小さいと中々背景がボケてくれませんが、望遠系にすることでボケ効果は上がります。
【ブレに注意】この時、花の位置にもよりますが、体が動かないように、できれば座り込むか、寄りかかれる場所があれば寄りかかります。特にカメラをバラに近づけて撮るとき、体が僅かに前後に揺れています。どうもピントが合わないときは、その状態になっていることが多いです。たとえブレ防止の機能があっても、それはあくまで花に対して上下左右に揺れているときに有効で、花に向かって前後の揺れには対応できていません。両腕を締め、息を止めて安定したと思ったらゆっくりシャッターを押します。どうしても動いてしまう方には、三脚をお勧めします。この時、カメラは2秒シャッターにしてください。 2秒シャッターはシャッターを押してから2秒後に撮れます。つまりシャッターボタンを押した時のショックが収まったころにシャッターが切れるのです。
【ピント】ピントが合っていないとせっかくの写真も台無しです。ただ、望遠にしたり、花に近づいてとるときは、オートフォーカスでもこのピント合わせが難しくなってきます。ピントを合わせる場所は、ピントを合わせたいあたりのコントラストが強いところでピントを合わせましょう。そのままシャッター半押しで、撮りたい構図にカメラを向けシャッターを押します。くれぐれも前後に動かないようにします。フォーカスポイントが変更できるカメラなら、構図を決めてから、フォーカスポイントを移動させます。
3.立体感
立体感を表現しましょう。と言っても難しいのですが、明るいところと暗いところがあれば、立体感が表現できます。ただ、明るいところと暗いところに大きな差があれば、くっきりはしますが、ソフトな質感が失われます。左の写真は造花を使って光りのあたり具合で質感がほどよく出るようにしました。
この例では、影の縁がぼやっとしてソフトな立体感を表現していますが、この縁がくっきりしてしまうと、バラ全体がハードに感じるようになります。
4.アングル
花を撮る時どんな角度で撮ると良いのかということを見てみましょう。結論から先に言うと、バラの花といっても個々に形が違います。したがって、どんな角度が良いかは、花と相談しながら選ぶのが一番です。しかも、花の位置も千差万別で、極端に低いところや、高いところにあれば、自ずとアングルは制限されてきます。
撮るときには、ゆっくり花を眺めて、どの角度が一番いいのかを探しましょう。かっこよく言うと、花との対話です。左の写真は、花が高い位置にあったので、下から撮りました。太陽光が花びらを透しているので、透明感を出し、さらに白い花びらを引き立たせるため、青空をバックにしました。
さらに、花全体を写すのか、それとも一部を写せば良いのかとも良く聴かれることです。
この写真の中にも全体が写っているものと、一部欠けている写真があります。わざと一部を欠けさせているのは、後はその写真を見る人の想像力にお任せを意識しています。一部が欠けていると、想像力でよりその花が大きく見える効果があります。
5.まとめ
このようなことを意識されてバラの花を沢山撮りましょう。また、写真は人に見せて意見を求めましょう。 そこには、見る人はどこを意識しているのかが分かるヒントにもなり、撮影感覚もそれなりに身に着いてきます。
著者プロフィール: 加辺 友明
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