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ヒロインになったバラ<2> ~アン・ブーリン~




第2回は、レディ・エマ・ハミルトンと同じ人気のイングリシュローズで、アン・ブーリンといきましょう。

ところで、本エッセイのタイトルですが、ふと「バラになったヒロイン」のほうが国語として正しいかな、意味が通りやすいかなと思ったのですが、なにしろバラ図鑑ポータルサイトですので、これは「有名なヒロインの名前をもらったバラ」という意味で、やっぱり「ヒロインになったバラ」のままで行きたいと思います。
作出過程では、通常バラは管理番号で呼ばれています。そして、花卉市場に販売することが決定したり、コンテストに出したりするときに初めて、名前をつけられるのです。アンケート応募などで決まることもあります。ですので、やはり無名からヒロインになったということで、理論的にも正しいといえます。


さて、前置きが長くなりましたが、「アン・ブーリン」は、品種名では、「アン・ブリン」や「アンヌ・ボレイン」と記載されていることがありますが、読み方の問題なだけです。「アンヌ・ボレイン」はフランス語読みですが、アン・ブーリンである、ヒロインは、イギリス人です。父親が、在仏英国大使だったこともあるようなので、幼少期はフランスに住んでいたこともあるようです。なかなか国際派ですね。


アン ブリン アンヌ ボレイン; アン ブーリン; アンブリン


そして、彼女がなぜ有名かといいますと、英国王ヘンリー8世の2番目の王妃で、しかもエリザベス1世の母です。夫も娘も英国で1,2を争う絶対君主で有名な国王、女王です。

高校で世界史を勉強した方は、ちょっと思い出してください。ヘンリー8世以前は、英国はほとんどもともとローマ・カトリックでした。ですが、最初の王妃 キャサリン・オブ・アラゴンがなかなか世継ぎを生んでくれないので、ヘンリー8世としては、王位継承上まずいのと、アン・ブーリンが気に入ったので、彼女と結婚することに決めたのです。

しかし、カトリック教では離婚は認められません。このため、最後の手段でとった方法が、「カトリックなんてやめたー。俺(つまりは英国)の宗教は別に作る」っとばかりに、英国国教会というのを作って、自分でそこの教主になってしまったんですね。すごいですねー。現代は、ほとんどの国で信教の自由は認められていますが、この英国王は何百年も前に、世継ぎ確保と再婚のために、新興宗教を作ってしまったんですね。ただ、宗教の内容そのものはあまり変わらなく、プロテスタントほど違わないといわれていますし、普通にカトリックを信じていた一般人にはたまったものではありません。英国の賢人 トーマス・モアも処刑されてしまいます。

そんなわけで、夫の強引な実力で、もとはキャサリン・オブ・アラゴンの女官だったアン・ブーリンですが、めでたく結婚できて、英国王妃になれました。
アン・ブーリンその人の人柄は、さまざまな解釈で、映画や小説になっています。美人女優が演じることが多いのですが、本物はそう美人ではなかったようです。身分も貴族ではあるものの、どちらかというと新興貴族。昔からの英国大貴族ほど権威があるわけではありません。

美貌や愛らしさではなく、どちらかというと、賢さや強い意志と権力志向で、王妃の座を獲得したようです。実は、妹もいて、そちらのほうが美人で素直で、もともとヘンリー8世はその妹を恋人にしていたのですが・・・・。

王妃になったアン・ブーリンですが、1535年に第1子 エリザベスを産んでいます。これが、有名なエリザベス1世です。
ところが、その後、妊娠しても早産したりして、なかなか男子を産まないというので、ヘンリー8世は、アンが邪魔になってきます。ヘンリーからみれば「せっかく苦労して、ローマ法王よりも、アンのほうを優先したのに、まだ王子を産んでくれない!」と思ったわけですね。どこの国の王様も、世継ぎ問題には頭を悩ませます。

そして、なんといっても法王にも反対するような、強権的なヘンリーのことですので、不義密通、国王暗殺計画首謀などとおそらく適当な罪をでっちあげて、アン・ブーリンを斬首してしまうのです。
場所はいまでは観光地として有名な、ロンドン塔でです。せっかく、王妃になったのに、アンは、3年ほどで若い命を散らしてしまったのですね。歴史上、権力者の妻でいるのも、別のリスクがあるということがわかります。

ヘンリー8世といえば、その後さらに何度も王妃を取り換え、生涯で8名の王妃がいました。すごいですね。心底望んだ王子は、やっと1人生まれるのですが、ヘンリーの死後、若くして亡くなってしまいます。その後、第1王妃だったキャサリンの娘メアリーが女王になりますが、世継ぎがなく亡くなり、次女のエリザベスが女王となります。ですが、このエリザベス1世も処女王といわれて、生涯未婚でしたので、チューダー王朝は途絶え、スチュアート王朝に変わります。

大変ドラマティックな時代でした。


そんな悲劇の王妃、アン・ブーリンですが、バラの花のほうは、淡いピンクのかわいい花です。カップ咲きで、花弁も多く、イングリッシュローズらしい花です。もちろん、四季咲きで、樹高も1m前後ですので、ベランダで鉢などで育てることができます。しかも、半日陰OKですので、植える場所もかなり自由度があります。


映画「ブーリン家の姉妹」
アン・ブーリン役 にはナタリー・ポートマンが、性格のよい妹 メアリー・ブーリン役 スカーレット・ヨハンソンがキャスティングされています。ヘンリー8世役 には、「トロイ」で有名なエリック・バナが演じています。


他に、映画「1000日のアン」では往年の美人女優 ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドがアンを演じています。再演されることがありましたら、ご覧ください。
BBC放送のドラマ 「BBC 世界に衝撃を与えた日―15―~英国王妃アン・ブーリンの処刑とエドワード8世の退位」
ヘンリー8世のほうが主体ですとこういったものがあります。残りの7人の王妃については、こちらで確認ください。


他に衛星放送などで、「THE TUDORS -背徳の王冠ー」などもやっていますので、歴史ドラマ好きはぜひご覧ください。
http://bb.goo.ne.jp/movie/program/cinecom_spe_t0456/index.html



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Create: 06/19/2010 Update: 02/01/2012