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ヒロインになったバラ<3> ~クィーン ネファーティティ~





 第3回は、だいぶ時代をさかのぼって、紀元前18世紀のエジプトといたしましょう。
 今回のヒロインは、クレオパトラより美しいといわれている、ネフェルティティ王妃です。

クィーン ネファーティティ


 彼女は、古代エジプトでは非常に異質の王 イクナーテン王(アクエンアテン、アメンヘテプ4世とも)の王妃でした。
 イクナーテン王は、なぜ異質かというと、従来多神教だったエジプトに突然、アトンという太陽神をまつりあげて、一神教としたのです。王宮も、テーベではなく、テル エル アマルナという場所に移し、太陽神アトンだけを信じるように、宗教改革をおこなったのです。もちろん、一般庶民や王とは別に権力、財力をもっていた神官たちはびっくりです。
 宗教改革にともなって、都となったテル エル アマルナでは、形式的だったエジプト美術から、写実的でリアルなアマルナ芸術というものが、流行しました。

 ネフェルティティ王妃は、そのアマルナ芸術の傑作といわれる彫像として、いくつかのこされています。もっとも有名なものは、現在、ベルリン国立博物館にあります。ほとんど完成しているように見えるにもかかわらず、左目だけが未完成というミステリアスな像です。アマルナ美術は、大変写実的な芸術でしたので、王妃とそっくりに掘られているといわれています。このため、肖像がほとんどなく、どちらかというと知性美で売っていた美女 クレオパトラよりも、ネフェルティティ王妃のほうが、より美しいのはほぼ確実といわれています。
 さらに、「ネフェルティティ」というのは、「やってきた美女」という意味で、どうやら外国から来た美人ということらしいのです。おそらく、ミタンニ王国の王女だったのではないかという説が有力です。この2つの意味からも、エジプトで1,2を争う美女だったのは、まちがいないようです。

 さて、ネフェルティティ王妃は、イクナーテン王とともに宗教改革を実施し、華やかな暮らしをしていましたが、王の死の前後から、歴史の資料から消えてしまいます。イクナーテン王が始めた宗教改革も、ツタンカーメン王の時代には、もとの多神教に戻ってしまいます。その前後、ネフェルティティ王妃の消息はまったくしれなくなるのです。これにも、未完成の彫像と同じくミステリアスな異説がいくつか立てられています。
 1つには、黄金のマスクで有名なツタンカーメン王に、娘アンケセナーメン(アンケセパートンとも)を嫁がせたので、若い少年少女だった王、王妃夫妻を補佐していたというもの。当時、王女と結婚しなければ、王には王としての権威がなかったので、王女6人だけを産んだネフェルティティ王妃が、娘をやって、そのまま院政のようなことをしていたのではないかというものです。
 2つめは、イクナーテン王の治世の後半は、スメンクカーラーという王と共同統治をするのですが、このスメンクカーラーが実は、ネフェルティティの男装した姿ではないかという説です。これも一見不思議ですが、ハトシェプスト女王が、男装していたこともありますから、同じことをしたのかもしれません。
 3つめは、単純にイクナーテン王の寵愛が消えたので、王宮を出るなどして、単純に公的な立場から引退したという説です。

 現在、エジプト考古学局では、イクナーテン王一族の墓を発掘しているそうです。その中には、もしかしたら、ネフェルティティ王妃の墓はあるかもしれません。墓とミイラが発見されたら、新しい事実がわかるかもしれません。

 「外国からやってきた美女」は、来た時と同じように、いずこかへ去ったのかもしれません。とてもミステリアスな美女です。
 


「アトンの娘」 里中満智子
ネフェルティティ王妃の娘で、ツタンカーメンの王妃となったアンケセナーメンの物語です。少女が、母に反抗する気持ちや、母が亡くなった後、さまざまな困難を乗り越えていこうとするストーリーが胸を打ちます。
エジプト学の権威 吉村先生の楽しいエジプト学の本
ディスカバリーチャンネル 復活の王妃

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Create: 06/27/2010 Update: 02/01/2012