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ヒロインになったバラ<5> ~ゼノビア~




 第5回は、また古代に戻りまして、シリアに参りましょう。

 シリアの世界遺産で有名なのは、パルミラ遺跡です。パルミラ王国は、3世紀にシリアを中心として、シルクロードの貿易の中継点として栄えた国です。
首都パルミラには立派な建物が建ち、パルミラ遺跡として現在もよすがを見ることができます。パルミラは、その繁栄により、「シルクロードのバラ」と言われています。

 当時はローマ帝国の力が強い時代でしたが、短期間で軍人皇帝が入れ替わることもあり、属州の1つであったパルミラは貿易で国力をあげ、次第に勢力を伸ばしていきます。

 夫オダエナトゥスが亡くなった(ゼノビアによる暗殺とも言われています)のち、ゼノビアは「エジプトの女王」あるいは「クレオパトラの後継者」として自称し、息子の共同統治者として、パルミラを治めます。ゼノビアは、パルミラが独立する前から、夫と戦装束で戦場に出るなど、古代史きっての女傑でした。女戦士としての実力だけでなく、美貌でも有名で、クレオパトラのように何ヶ国語も話せたといいます。

 ゼノビアの治めるパルミラは、エジプトなどにも領地を伸ばし、独自の貨幣を発行し、最終的には、ローマに反抗して、戦となります。
当初、勝ち戦でしたが、次第に負け戦となってしまい、息子のウァバッラトゥスは戦死、ゼノビア本人もペルシアに逃亡しとようとしますが、ローマ兵にとらえられてしまいます。
 ローマに送られたゼノビアは、見せしめのため、黄金の鎖で縛られて、ローマ市民の前で行進させられたといいます。捕虜とはいえど、美しく、知的で魅力的な「パルミラの前女王」 ゼノビアは、さぞやローマ市民の注視の的であったでしょう。

 捕虜となったのち、ゼノビアは若くして亡くなったとも、あるいはローマの元老院議員と結婚して、自分を屈服させたローマ皇帝ルキウス・ドミティウス・アウレリアヌスより長く生き延びたともいわれています。


ゼノビア

さて、バラはというと、ローズピンクのきれいなオールドローズです。種類はモスローズで、つぼみにはモスローズの苔のようながくがあります。女傑にしては、可憐な薔薇色ですが、美しさはまさに「女王」です。香りも強香ですので、女王らしいバラです。

 残念ながら、一般のお庭で育てられているのは少ないようです。バラ園などにいくと、オールドローズコーナーでみつかるかもしれません。


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Create: 04/17/2011 Update: 02/01/2012