「庭の設計にあわせたバラを育てる」では、まずは「庭ありき」でした。家と庭があって、それにあわせたバラを植えましょうということを考えてきました。
しかし、逆にこれから家を買う、これから家を建てるという方にむけて、バラが合う家と庭を考えてみましょう。
つまり、ガーデニングするために家を買うようなライフスタイルを選択する場合です。シニアや一人暮らしの方には、非常にあり得るシチュエーションだと思います。シニアの方には、「リタイアしたら、田園生活したいんだ」とお思いの方も多いと思います。庭に菜園を作るのもいいですが、やはり花がない庭なんてさびしいものです。
第1回では、バラが合う家を考えてみましょう。
あなたに、とっても大切にしているバラの株があったとします。では、それを新居にもっていって、一番いい場所に植えたやりたいと考えます。
それにどうせなら、ご近所からも「まあ、きれいね」といわれる家にするほうが素敵です。
(1) 家の外壁の素材や色が、バラやガーデニングにあっているか。選べるのであれば、外壁材はバラを引き立てるものを選ぶ。特に、つるバラの場合は壁の色と花の色はマッチしているほうが、外観が映えます。もちろん、省エネになるような素材の外壁であることも大切です。
(2) 一方、外壁はメンテしやすくないといけません。10-15年に1度くらいは、壁の塗り替えもあるかもしれませんので、作業しやすいほうがいいでしょう。
(3) つるバラのためには、誘引するワイヤーなどをはりやすいことがお勧め。家を建てる前に、フック類を埋め込んでもらえるように交渉するのも手です。DIYで壁に穴をあけたりすると、雨漏りの原因になる恐れも。もちろん、雨樋などにワイヤーをかければ、壁に傷になりません。
(4) 1F窓に防犯のため、目隠し枠をつけたりしますが、それがおしゃれなら、バラも誘引しやすいでしょう。
(5) 家の向きや方角。もちろん、日当りがよい立地を選べるのであればとてもよいことです。あいにくと立地条件が悪ければ、なんらかの工夫が必要です。
(6) 建築士や工務店に、「ガーデニングを楽しみたい」ということをきちんと伝えましょう。プロの意見をもらえるはずです。
(7) 窓枠や玄関ドアなどのデザインが選べるのであれば、なおよしです。
(8) サンルーム(コンサバトリー)を付属させられたり、パーゴラなどを敷地内に作れるなら、それは素敵です。
(9) リビング前にデッキをつけてもおしゃれですが、手すりは避けたほうが無難です。室内から、庭を眺めるときに、手すりは案外と邪魔になります。なお、デッキをつけるとどうしても床下の換気が悪くなるので、工夫してもらいましょう。
(10) 庭は、オープンスタイル、クローズドスタイル どちらにしますか?。敷地が狭い場合は、いっそのこと、オープンスタイルにするの手です。敷地が広ければ、クローズドにして、塀の外と内に、両方にバラを植えることができます。色違いにしたりすると2種類の花が楽しめます。
(11) 洗濯物などの生活感をどうやって隠すかなども考えましょう。きれいなバラの前に、お父さんの下着がひらひらではちょっと格好悪いですね。フロントガーデン、バックヤードという考え方もあります。
(12) 家の各室から、どのように庭がみえて、その庭にどんなバラを植えるか考えましょう。たとえば、バスルームからちょっとした坪庭が見えるなら、とても安らぎますし、リビングからは明るい庭が見えるほうがいいでしょう。キッチンから、ハーブとバラの両方が見えるというのは、見た目と実用の両方を満足させることができます。
さて、こんなかんじでいかがでしたか?。
家を買う、建てるのは、一大プロジェクトです。予算やさまざまな条件もあるでしょうから、必ず、Must、Wantを一度一覧表にしてみるとよいでしょう。 |