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バラ育成Tips集　～バラの肥料の基本～

市販されている肥料は、主に２種類です。

(1) 無機質肥料・・・主に化学合成されて作られます。即効性のものが多いですが、種類によっては遅効性（ゆっくりと効果が発揮されること）のものもあります。基

本は、カリ、チッソ、リン酸の３要素です。

(2) 有機質肥料・・・自然由来です。牛フン、魚粉、落ち葉などから作られます。不純物が含まれますが、微量の有効成分も含みます。遅効性です。


植物は、無機質でないと根からとりいれることができません。
ですので、有機質肥料はいったん土中で、ゆっくりとバクテリアなどに分解されて、無機質に変わります。そのあと、バラに取り入れられますので、遅効性なのです。

下図はバラの木のモデル図です。太くて長い直根（ちょっこん）と細くて細かい細根（さいこん）からできています。直根は、地中から水を吸い上げるのが主たる役目です。細根は、地中の養分を吸収します。元気な株は、両方がうまくバランスをとって生育しています。弱っているバラの株は、白い細根がほとんどなくなっていますので、そうなっている株は要注意です。最悪枯れてしまいます。

[バラの木の基本構造]

一方、純正要素ばかりの化成肥料ですと、与えすぎてしまう傾向にあります。もちろん、遅効性の化成肥料もありますので、手軽に楽しむためには、遅効性化成肥料も使うとよいでしょう。

どちらを使うかは、バラの状態によって決めます。
元肥等の場合はゆっくりとききますので、有機質肥料でいいでしょうし、少し弱ってきて、栄養を急速に与えないといけないときなどは、無機質肥料で液肥などを使うこともいいでしょう。ケースバイケースで肥料を使いこなせれば、ベストです。
ベランダですと、牛フン系の肥料ですと少し匂いが気になる方もいるかもしれません。条件によって、いろいろ試してみてください。


肥料の基本は、
チッソ・・・葉肥えといわれます。葉を茂らせ、生長させます。
リン酸・・・花肥え、実肥えといわれます。花や実を育成させるのに重要です。
カリ・・・根肥えといわれます。根張りがよくなり、苗を丈夫にします。

一般にバラのおすすめ割合は、チッソ：リン酸：カリでは、１：３：１といわれています。
初心者は、園芸店で「バラ用」といった説明のある肥料を買うとわかりやすいでしょう。

これ以外に、硫黄、鉄、ホウ素、マンガン、モリブデン、マグネシウムなどが微量要素といわれています。
安価に手に入る、油粕や骨粉などにはこれらの成分が含まれているので、組み合わせるとよいでしょう。

マグネシウムは、葉緑素の生成に必須ですので、たとえば日陰で育てざるをえないなどの場合は、有効にきくでしょう。


メーカーによって、いろいろな工夫がされていますので、庭の土の状態やバラ品種などにあわせて選ぶか、ブレンドなどするとよいでしょう。中級者、上級者の方はよくオリジナルブレンドを考えて、施肥されています。

肥料の与え方は時期によって、つぎの２パターンです。

元肥・・・・最初の株の植え付けのときに、植え付け穴の奥に肥料をいれておきます。他に、冬や夏などに追加で与える場合も元肥といいます。遅効性のほうがよいので、有機質肥料を与えるとよいでしょう。冬の場合は、休眠していますので、根もとの土を軽く掘り起こして、肥料を混ぜながら施します。


追肥・・・株の成長にあわせて、適宜与えます。株元に置き肥するか、水に薄めて液肥としてあげます。鉢植えの場合は、掘り起こしたりできませんので、株元に置き肥（そのまま、おいていくだけ）するとよいでしょう。

Why：　株元の周囲にぐるりと肥料をあげる理由は、上の図のように、細根は根の先にありますので、上から見ると地中で放射状に広がっているはずです。ですので、その細根に届きやすいように、ぐるっと周囲に与えるのです。

元気すぎる株には、肥料をあたえなくても大丈夫です。
逆に、初心者はやりすぎて枯らしてしまう可能性もありますので、様子をみて与えてください。
特に、一季咲きバラは、夏や秋に花を咲かせませんので、控えめでも大丈夫です。
他に、モッコウバラなどは冬の肥料も控えめにしておきませんと、枝は伸びても花が咲かないといった傾向があるようです。


逆に、ハイブリッドティー、フロリバンダのように、四季咲き品種は、年に何度も花を咲かせるためには栄養が必要ですので、お礼肥をあげましょう。咲き終わったら、栄養補給するつもりであげるとよいでしょう。

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